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医療に関わることなどを
by sui-m
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なかのひと AX
『いけちゃんとぼく』
いけちゃんとぼく
西原 理恵子 / / 角川書店
スコア選択: ★★★★★



たまたま寄った本屋さんで目に留まった,西原理恵子の初めての絵本.
平積みされた本の中でカラフルな表紙がとても目立っていました.

「ぼく」とカラフルなオバQみたいな不思議な生き物「いけちゃん」の物語.

本の中もとてもカラフル.
青い蒼い海や様々な緑色をした原っぱやオレンジ色の夕焼けや.
「いけちゃん」もピンク色だったりすみれ色だったり,水色だったり黄緑だったりオレンジだったり.

『いけちゃんはね うれしいとふえるの.』
『いけちゃんはこまると小さくなるの.』
『あったかいといけちゃんはよくふくらむのよ.』


謎の生き物「いけちゃん」.

いけちゃんはいつでも「ぼく」の傍らにいて,
大人になっていく「ぼく」を見守っています.

寂しいときにはなぐさめてくれて
いけないことをしたら叱ってくれて
いたずらだって一緒にやった.

こども時代にしか持つことのできない「自分だけの見えない友達」.
そんな友達との物語…?と思って読んでいくと….


帯に
『この本には大きな仕掛けがある』
と書いてあって,最後に何か大きな仕掛けがあることはわかっていたのだけれど,
その仕掛けは思っていたのと全然違っていました.


セピア色の優しい告白でそれまでの世界がひっくりかえる.

最後の1ページをめくったあとに,最初のページに戻ってもう一度読み返す.
「いけちゃん」の言葉に隠された深い想いが見えて….

『はやく ゆっくり 大人になってね』


そうか,だから「いけちゃん」は「ぼく」と一緒にいたんだね.



何度も何度も手にとってしまう,そんな本です.

読み終わって,何気なくカバーをめくると…!
それは読んでからのお楽しみ.

by sui-m | 2007-10-03 21:56 | お気に入り
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