医療に関わることなどを
by sui-m
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なかのひと AX
フジテレビに勝訴 名誉回復への一歩
昨日,ある民事訴訟で原告勝訴の判決が出ました.

マスコミの理不尽な報道に対し,たったひとりで立ち向かっていらっしゃる,
紫色の顔色の友達を助けたい先生の本人訴訟での一つ目の勝訴です.
フジテレビの報道による名誉毀損が認められました.
(勝訴としては週刊女性「主婦と生活社」に引き続き二つ目になります)

ご本人のブログに詳細が掲載されています.
『勝訴 フジテレビ訴訟 本人訴訟第1号』

同じ日の午後には別の訴訟の弁論が行われたとのこと.
さらに刑事第二審もあります.
まだまだ長い道のりです.
今まで先生が費やされた時間,そしてこれから費やさなければならない時間を考えると暗然たる思いになります.

どうか1日も早く医師としての名誉が回復されますように.
陰ながらではありますが応援しております.


この勝訴についての報道です.
東京新聞より 
無罪判決の報道で名誉棄損 医師がフジテレビに勝訴
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007082701000535.html
 
東京女子医大病院で2001年、心臓手術を受けた群馬県の少女=当時(12)=が死亡した事故をめぐり、業務上過失致死罪で1審無罪となった元担当医が、判決を報じたフジテレビの4番組で名誉を傷つけられたとして、同社に1500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、うち1番組の名誉棄損を認め、100万円の賠償を命じた。
 土肥章大裁判長は「無罪に疑問があることを示唆する情報を多数提供しており、元担当医が未熟で過失があったため事故が生じた可能性があるとの印象を与えたことは否定できない」と指摘。「当初は罪を認めた」との報道内容についても「事実とは認められない」と判断した。
 元担当医は05年11月30日、東京地裁で無罪判決を受けた。
 判決によると、フジテレビは同日夕のニュース番組で、判決内容を報道した際、医師が未熟だったとする趣旨の弁護士のコメントを紹介。また、元担当医と被害者遺族の双方が記者会見をしたのに、遺族のコメントだけを放送した。



明日8月29日は奈良県大淀病院事件民事裁判第2回が行なわれる予定です.
こちらも注目しております.
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# by sui-m | 2007-08-28 14:45 | 医療
いつまでもあると思うな…
またまた久しぶりの更新となってしまいました.
あまりの暑さにへたっております.

さて,今朝目に付いたニュースです.

『全国の認可保育園 保育料滞納 約90億円』

新聞各紙の報道はこんな感じ.(魚拓

で,これらの報道をまとめると.

 全国的な調査が行われたのは今回が初めて.
 全1827市区町村中、1808の自治体から回答があった.
 滞納額は、納めるべき保育料の総額約4784億2000万円の1.9%に当たる約89億7000万円.
 滞納した保護者は、全体の約3.7の約8万6000人.
 滞納額の割合が滞納者の割合に比べて低いのは、保育料は所得によって決められることから、低所得の保護者の滞納が多かったため.
 「過去5年間で滞納額が増えた」と回答した市区町村は1019市町村.
 その原因:「保護者の責任感・規範意識の問題」が65.9%,「保護者の収入減少」が19.4%



以下,各紙の報道で目に付いた部分を引用.

YOMIURI ONLINEより一部引用
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070822it04.htm魚拓
 
 対応策としては、督促状の送付が約79万9000件、差し押さえも634件あった。厚労省は、悪質な滞納者に対する保育拒否制度を設けていた山形市に対し、「児童福祉法に違反している」として改善を求め、山形市は今年度から制度を撤廃していた。しかし、今回の調査で、滞納対策に苦慮している自治体からは、「滞納を理由とした退園を認めてほしい」などの要望が挙がった。



岩手日報より一部引用
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070823_4魚拓
 
 05年度から督促状を渡すなどの対策を講じ収納率は向上しているが,滞納者の中にはローンを優先し保育料は後回しにするなど,規範意識の欠如もみられるという.
 同市の宮川文義児童福祉課長は「全体の歳入が減れば適切な保育ができなくなる恐れもあり,きっちりと収めてほしい.所得の減少などやむを得ない事情がある場合には,減免や分割納付も利用できる」と呼びかける.



SankeiWebより一部引用
http://www.sankei.co.jp/kyouiku/kosodate/070822/ksd070822000.htm魚拓
 
 過去5年間で滞納が増えたと答えた自治体は1019自治体で、減少したのは545自治体。増加した理由は「保護者の責任感・規範意識の問題」が65.9%を占めた。「保護者の収入減少」(19.4%)の3倍以上で、保育料の支払い能力がありながら、払っていない保護者が、圧倒的に多い現状が浮き彫りになった。
 悪質な保護者に対する法的措置も、督促状送付79万9408件、財産調査4190件、差し押さえなど634件-にのぼっていた。
 調査結果をふまえ厚労省は、滞納の初期段階で納付を保護者に呼びかけることや、悪質な場合には税金の徴収と同様に法的措置をとることなど、積極的な対応をとるよう通知した。



今回のニュースに先駆けて報道していたのが八重山毎日新聞.

滞納額、県内ワースト4位 納付意識欠如の保護者
http://www.y-mainichi.co.jp/?action_article_show=true&article_id=9071
魚拓
 
(一部引用)
 保育所の保育料は利用者の所得に応じて定められているが、なぜ滞納が出るのか理由も多種多様で、「他の支払いが多くある」「離婚」「病気などによる収入 の不安定」「失業や不就労」などの経済的理由が多いが、中には携帯電話料などを優先し、保育料は後回しといったケースもあり「払わなくても何とかなる」といった義務意識の低い親もいるようで、担当職員は納付意識の低さを指摘する。
 児童家庭課では対策として、在園児については園を通して保護者の指導を行うほか、督促状や督促の電話作戦、戸別訪問、卒園児についても電話で督促連絡するなど課を挙げて徴収に取り組んでいるものの、滞納額の減少には至ってないようだ。
 給食費問題では「どうせ払わなくても、給食を止められることはない」という親の声も聞かれたが、給食費だけでなく学級費や教材費など学校や公共料金に関しては納付意識が低く、「払える人に負担がかかっていることや、税金が投入されているのは紛れもない事実で、行政はもっと対応を考えるべきではないか。非 常識な親たちのために自分たちの子どもが犠牲になっていることをもっと自覚してほしい」という関係者の声も聞かれる。



給食費の滞納,医療費の未払い,そして今回の保育料の滞納.

共通しているのはどれも公的な面のあるサービスで,
「払わなくてもとりあえず何とかなる」ということ.
多分これらの根っこはひとつ.

「携帯電話料などを優先し、保育料は後回しといったケース」
これは今までの給食費や医療費の未払いについても言われていたこと.
携帶電話は払わなければ使用できなくなるけど,
給食や保育や医療は払わなくても追い出されたりしない.
払わなくてもそれほど激しい取立てがあるわけでもなし.
今回の報道を見ても,せいぜい督促状がくるくらい.

「払わなくても何とかなって」いるのは誰かがその分を負担しているから.
それは払ってくれている「誰か」かもしれないし,
給食を食べたり保育されたりする「子供たち自身」かもしれない.

以前『痛いニュース』で見つけた仙台市の給食の写真.
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1007862.html
http://image.blog.livedoor.jp/dqnplus/imgs/0/e/0e8e7d41.jpg

なんだかものすごく寂しいメニューに見える.
仙台市は給食費の滞納が話題になった市.
滞納の影響でこんなメニューになっているのかは知る由も無いけれど.

でも滞納する人が増えれば増えるほど,
サービスの低下を招くことは予想できることで….
いつか「滞納」による収入減の影響でメニューが減る日がくるかもしれない.

今は大丈夫でも今後どんどん滞納する人が増えたら,
医療も保育も給食も,サービスの低下に留まらず,
それ自体がなくなってしまうという可能性もある.

なくなってしまたら,一番困るのは利用している人たちのはずなんだけれど….

結論:「いつまでもあると思うな親と金、無いと思うな運と天罰」.
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# by sui-m | 2007-08-23 20:26 | ニュース
福島県立大野病院事件 第6回公判
7月20日,福島県立大野病院事件の第6回公判が終了しました.
今回はこの事件の鑑定書を書いた新潟大学医学部産婦人科教授の田中憲一先生に対する尋問が行われました.

今回も周産期医療の崩壊をくい止める会のHP上に詳細な公判傍聴録が掲載され,ロハスメディカルブログでも公判の様子がupされています.また,周産期医療の崩壊をくい止める会の報告の冒頭には佐藤教授の傍聴記も掲載されています.

周産期医療の崩壊をくい止める会  
 第六回公判について

ロハス・メディカル・ブログ
 福島県立大野病院事件第六回公判 (1)
 福島県立大野病院事件第六回公判 (2)

いつものことながら,どちらも長い報告です.
こうやって記録してくださる方々がいらっしゃるおかげで,実際に傍聴することのできない私たちも裁判の様子を窺い知ることができます.
本当に有り難うございます.


今回の公判でも術前診断としての画像診断が話題になりました.
癒着胎盤の術前診断として超音波検査とMRI検査が取り上げられています.

まず,弁護側の尋問で超音波検査について触れられたところから.

この前の部分で証人は弁護側から,超音波検査はプローベの角度や押さえる強さを変えることによる画像の変化を経時的に見ながら医師は総合的な判断を下すのではないか,と質問され,同意しています.
その後,検察側から提示された数枚の写真で癒着胎盤を疑うべきであったと証言したことについての質問が行われます.


第六回公判についてより
弁護1: まず、12月3日。青いマジックでしるしをした、ここに血流が認められるから、先生は癒着胎盤を疑うべきであったと。

証人: いえ、疑っても良い、ということです。

弁護1: でも、今の血流はごく一般的に見られるものではないですか

証人: 見られることもあります

弁護1: 先生は癒着胎盤の患者さんについて診察をされたことはない、ということは当然、癒着胎盤の超音波検査をやったこともない。それなのにどうして、この血流をみて、癒着胎盤を疑ったらいい、などということがわかるのですか

証人: それは、前回帝王切開で、全前置胎盤なので、他の人よりその、前壁の癒着胎盤の確率が高いと。

弁護1: それは一般的に言われていることですね。前回帝王切開で全前置胎盤の場合は、前壁に癒着しやすい。だからそれを疑う、それは結構ですよ。そのことと、今のその超音波検査、これで青のマジックで、なんか白く見える、血流がある、だから疑うべきだ、ということは全く結びつかないのではないですか。

証人: 本で書いてあるのが、その子宮前壁の線が見えない、ということが書いてあるので、疑ってもよいのかなと・・


午前中の検察側からの尋問に対しては超音波所見から癒着胎盤を疑うべきであったと答えていたように思うのですが,上記の文章を読むと,画像所見から癒着胎盤が疑うことが可能であったというよりは,「前回帝王切開で,全前置胎盤なので癒着胎盤の確率が高い」から疑うことが可能であった,とおっしゃっているように感じられます.
超音波検査はプローベを当ててから検査終了までの全ての画面が診断対象となります.残された写真はその一部に過ぎません.もちろん,大事な所見を写真に残すのですが,実際に検査を行った者以外が更にその写真の一部を見て診断するのは非常に難しいことと思われます.
しかも証人は周産期の専門家ではありません.
佐藤教授の傍聴記にもその当たりのことが述べられています.

佐藤教授の傍聴記より
午前中は検事の尋問に答えた。この中で重要で問題になったところは、癒着胎盤の予測であったが、田中教授は2枚の超音波写真から子宮前壁で子宮と癒 着を疑っていいと思ったと証言した。しかし、その2枚の超音波写真のうち1枚は子宮頚管の内子宮口から主に後壁の一部に胎盤が存在する写真で、田中教授は 内子宮口のところにある低エコーが存在するところを指し、ここが癒着をしていると疑ってもよい所見と証言した。そこは血管が存在するところで、決して癒着 を疑わせる所見ではないことは専門家が見ればわかる所見である。内子宮口の所が癒着していることは稀であるし、実際に今回の場合前壁にあった胎盤は簡単に 剥離し、癒着は後壁に認められたのである。もう一枚も子宮前壁のところに存在していた血管を指し、2枚の写真から癒着を疑ってもよいとした。これも、時々前置胎盤?の時にみられる所見で癒着胎盤特有の所見ではない。癒着を疑ってもよい所見だからMRIをすべきだったと証言。MRIは有用とされているが、決してMRIをとったから癒着胎盤を診断できるまでには現在のところ至っていない。


どうやら証人が証言した所見は実際の所見とかなり異なっているようです.

また,午前中の検察側からの尋問に対し,証人は超音波検査で疑うことが可能であったから,MRIを行うべきであった,ともおっしゃっています.確かにMRIで癒着胎盤が診断可能であったという報告もありますが,癒着胎盤のMRI診断はまだそれほど精度の高いものではありません.


今回の傍聴記で印象深かったのは,田中教授がどのような観点から今回の鑑定を行ったかという発言です.

第六回公判についてより
弁護1: 今回の鑑定を先生がおやりになった。刑事上の過失があるかないかということで、先生は鑑定をなさったわけですか

証人: 私は医学上、安全な医療をするにはどうすればいいかという観点で鑑定を行いました。


刑事事件の鑑定書でなければ,例えば症例検討会などではこの観点は正しいものとなるのでしょう.でも今回は刑事事件の鑑定書です.刑事上の過失があるかないかという観点が重要ではないでしょうか?そして仮にそのような観点から鑑定が行われていたなら,違った鑑定書となっていたのではないでしょうか?

次回の公判は8月31日、K先生ご本人の証人尋問が行われます.
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# by sui-m | 2007-07-25 19:45 | 医療