医療に関わることなどを
by sui-m
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なかのひと AX
カテゴリ:ニュース( 4 )

日本の医療は先進国19か国中2位だったのに
昨日,こんなニュースを見つけました.

先進国19か国中、医療大国1位は仏、2位は日本 
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2334107/2508656


【1月9日 AFP】
 英国の研究チームが先進国19か国を対象に行った回避可能な死に関する調査結果が8日、米医療経済・政策専門誌「Health Affairs」の1・2月号に掲載された。それによると、適切なタイミングで効果的な医療を提供している国の1位はフランス、2位は日本だった。一方、米国は最下位に沈んだ。
 
 研究を行ったのは、ロンドン大学衛生熱帯医学校(London School of Hygiene and Tropical Medicine)の研究チーム。チームは、2002-2003年の間に、適切なタイミングで効果的な医療が施されれば死を回避できた75歳未満の人の死亡率を調査した。

…中略…

 19か国の順位は上位からフランス、日本、オーストラリア、オーストリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、英国、米国となっている。前回調査で、米国は15位だった。


どういう指標を用いて算出しているかはこのニュースだけだとわからないですけど,
日本は「75歳未満の人で適切なタイミングで効果的な医療が施されなかったために死亡した人」が少なかった,ということですよね.

じゃあ日本は他の国より医師が多いのか?医療費が高いのか?

医師数と医療費を他の上位の国と比較したレスが某巨大掲示板にありました.

【調査】 “医療大国” 1位・フランス、2位・日本(先進国19カ国中)…英の研究チーム調べ★2より
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1199887657/605

605 :名無しさん@八周年:2008/01/10(木) 08:57:46 ID:wi6CcLE90
上位5ヶ国を比較してみた。

・適切なタイミングで効果的な医療が施されれば死を回避できた75歳未満の人の死亡率
 1位:フランス 2位:日本 3位:オーストラリア 4位:オーストリア 5位:カナダ

・1000人あたり医師数(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0311-5b.html
 フランス:3.29人>オーストリア:3.16人>オーストラリア:2.47人>カナダ:2.09人>日本:1.93人

・医療費対GDP比(http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1890.html
 フランス11.1%>オーストリア:10.2%>カナダ:9.8%>オーストラリア:9.5%>日本8.0%

日本の医療従事者が、いかに金も人も足りない中頑張ってるかがよく分かりますね。


1000人あたりの医師数は2000年のdataで,医療費対GDP比は2005年のdataのようですから,今回の調査と同じ年度ではないんですけど.
医療費,医師数ともに日本は上位5位の国の中で最低の値です.

それでも「適切なタイミングで効果的な医療を施している」と評価されるような医療を行ってきていた.

なのに国内でのこの評価の低さはどこからきてるんでしょう?
このニュースだって報道されないし.
まあ、いまさら手のひら返したように誉めそやされても信じられないけど.


例えばこのニュースに対するネット上での反応は
「こんなに『たらいまわし』報道があるのに嘘だろう」
というものと
「少ない医師数で少ない医療費でこんなに頑張っていたのに(今後は無理だろう)」
というものが多い感じでしたが,
調査が行われた5年前だったら「嘘だろう」という反応が大半な気がします.

実際の海外の医療を知っているわけではないのに,「日本はだめだ」という.
何処と比べているのでしょう.
いろんな国のいいところだけを集めた「夢の国の医療」はないのに.

この調査が行われたのは2002‐2003年で,前回の調査は1997-1998年とのこと.
もしこれが定期的に行われる調査であるならば,次回の調査は2007-2008年?

果たして次回の評価や如何に.

あー、でも2位から転落していたら
「以前の医療は良かったのに」とか報道されるんだろうな.
マスコミがその原因の一翼を担ったことなんて素知らぬふりで.
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by sui-m | 2008-01-10 22:03 | ニュース
高知新聞の社説より
 良い社説を見つけました.
 高知新聞が医師不足に対する国の姿勢を批判しています.
 目新しいことは書いてありませんが,「医師は足りており,偏在しているだけ」という報道しか見られなかった頃のことを思うと隔世の感があります.

高知新聞 10月3日社説より
【外科医不足】現場の疲弊が浮かぶ
http://203.139.202.230/?&nwSrl=218493&nwIW=1&nwVt=knd

 国立病院機構病院(旧国立病院)で「外科医が不足している」「将来的に不足する」と答えた外科医が83%に上ることが共同通信のアンケートで明らかになった。
 産科、小児科、麻酔科などの医師不足と同様、外科の医師不足を指摘する声は前々からあった。今回の調査はそうした声をあらためて裏付けるとともに、疲弊する現場の実態を如実に浮かび上がらせる。
 不足の主な理由として挙げられたのは「労働条件の厳しさ」「医師臨床研修制度」「医療事故と訴訟リスクの高さ」である。これらは他の医師不足の理由とほぼ通じる。
 手術という医療の重要部を担う外科医は緊急の呼び出し、重症で緊急度の高い患者への対応など心身への負担が大きい。また、医療訴訟の矢面に立たされるケースも多々ある。日本外科学会の調査では外科医志望者は一九八九年に比べ、二〇〇三年は三割も減っている。
 さらに〇四年度から導入された医師臨床研修制度が研修医の都会流出、地方の医師不足を招いてしまった。さまざまな診療科で研修するうち、外科医の過酷な労働実態を目の当たりにし、他の診療科へ志望を変更する研修医も出ている。
 勤務医が開業することで、残された勤務医はさらに多忙になる。地域によっては患者が都市部の中核病院に集中し、そこの勤務医がさらなる過重労働を強いられている。
 こうした悪循環を断つには医療体制の根源的な改革が必要だ。小手先の対策で医師不足が解消するほど問題は軽くない。だが、肝心の国から医療を再構築する気概が伝わってこないのである。
 国が進める医師の集約化・重点化はさらなる「医療の空白」を招きかねない。緊急医師派遣制度にしても付け焼き刃だ。抜本策として来年四月から国立大医学部の入学定員増を認めたが、これも暫定措置との位置付けである。依然として国は医師の絶対数不足を認めようとしない。
 〇七年厚生労働白書では医師確保策や医療費抑制策に対して、一層の役割と責任を都道府県が担うよう求めており、国の使命感を感じ取ることができない。
 医学教育の見直し、職場環境改善など大学や医療現場で見直すべき点は多い。都道府県にも役割はある。だが、一番に求められるのは国の指導力である。国が医師の絶対数不足を認める姿勢に転換しない限り、効果ある政策は期待できない。


 2003年で3割減….今はそれから更にどれくらい減っているのでしょうね.
 
 まあ,国が医師の絶対数不足を認める日はきっとこないし,最早ちょっとやそっとのことではこの大きな流れは変わらないと思いますが.
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by sui-m | 2007-10-05 13:36 | ニュース
もうひとつの「たらい回し」
既にあちこちの医療系Blogで取り上げられていますが….
奈良から大阪に女性を搬送中の救急車が交通事故に遭った件です.

報道各社の見出しはこのようになっております.

10ヶ所も打診しなければ受け入れ先が見つからなかったことを前面に出してる記事もあれば,交通事故を前面に出している記事もあります.

毎日新聞の第1報は相変わらず「たらい回し」と言っていたようですが,
あっという間に変更されました.

857 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2007/08/29(水) 12:20:02 ID:0V5RE0it0
タイトルが変わっています。
病院たらい回し:妊婦衝突事故後に流産 救急搬送中 大阪
  毎日新聞 2007年8月29日 11時48分
http://megalodon.jp/?url=http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070829k0000e040036000c.html&date=20070829120816
         ↓
救急車事故:搬送中の妊婦流産 大阪
  毎日新聞 2007年8月29日 11時48分 (最終更新時間 8月29日 12時10分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070829k0000e040036000c.html
 魚拓が2分遅れていたら『たらい回し』を残せなかった。


毎日新聞はどうしても『たらい回し』が使いたいんでしょうね.
しかも『周産期医療の救急体制の不備』 を指摘した記事を書いています.
大淀病院事件で自分たちが行った報道については知らん振りですか.


さて,今回の件を時系列でまとめてみました.

午前2時45分頃  奈良県橿原市の女性(36)が橿原市内のスーパーマーケットで買い物中、出血を伴う腹痛を訴え、知人の男性が119番通報.
午前2時55分頃  救急車に女性を収容.
救急隊員が同市内の県立医科大学付属病院に受け入れを要請したが手術中で対応できず,大阪府内の病院に打診したが受け入れ先は見つからず.
午前4時20分頃  高槻市内の高槻病院(10箇所目の受け入れ要請先)にむけて出発.
午前5時頃     救急車内で破水(流産と書いてある記事もあり)
午前5時10分頃  大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で搬送中の救急車と軽乗用車が出合い頭に接触.
搬送を引き継いだ高槻市消防本部の隊員が高槻病院に流産したことを伝えたところ,「既に流産したなら処置は難しい.緊急手術も入っている」と断られたが,大阪府内の2病院に受け入れを断られたため20分後に再び高槻病院に受け入れを要請.
午前5時46分   高槻病院に到着.妊娠3か月で、すでに流産していた.

その他,あちこちのニュースを読んでみてわかったことは

・通報の内容は「妊娠の可能性がある女性が下腹部から出血している。彼女には流産の経験がある」だった.
・かかりつけの医者はいなかったらしい。
・毎日の初期の記事では妊娠20週とされていたのに,他の記事では妊娠3ヶ月となっている.(どっちがホント?)
・事故による容体の変化は見られなかった

妊娠3ヶ月(あるいは20週)の特に誘因もない突然の腹痛と出血とのこと.
もっと早く搬送先がみつかっていたとしても,交通事故がなかったとしてもおそらく流産を止めることは難しかったのではないかと思います.
お子様をなくされた妊婦様には心よりお見舞い申し上げます.

毎日新聞だけでなく,他の新聞でも
『搬送先がみつかるまで10箇所もかかった!』とか『搬送先がみつかるまで1時間半もかかった!』,『搬送先に到着するまで3時間もかかっている!』となかなか搬送先がみつからなかったことが問題だ,という論調のものが多い気がします.
緊急手術中で断った県立医大についても『3回も断った!』と強調している記事がありましたが,じゃあ緊急手術を中断しろとでも言いたいのでしょうか.

どんどんお産を取り扱う病院が減っている現在,今回のような事例は今後増えることはあっても減ることはないでしょう.

毎日新聞は毎回毎回『たらい回し』って書くんですかね.
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by sui-m | 2007-08-29 20:12 | ニュース
いつまでもあると思うな…
またまた久しぶりの更新となってしまいました.
あまりの暑さにへたっております.

さて,今朝目に付いたニュースです.

『全国の認可保育園 保育料滞納 約90億円』

新聞各紙の報道はこんな感じ.(魚拓

で,これらの報道をまとめると.

 全国的な調査が行われたのは今回が初めて.
 全1827市区町村中、1808の自治体から回答があった.
 滞納額は、納めるべき保育料の総額約4784億2000万円の1.9%に当たる約89億7000万円.
 滞納した保護者は、全体の約3.7の約8万6000人.
 滞納額の割合が滞納者の割合に比べて低いのは、保育料は所得によって決められることから、低所得の保護者の滞納が多かったため.
 「過去5年間で滞納額が増えた」と回答した市区町村は1019市町村.
 その原因:「保護者の責任感・規範意識の問題」が65.9%,「保護者の収入減少」が19.4%



以下,各紙の報道で目に付いた部分を引用.

YOMIURI ONLINEより一部引用
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070822it04.htm魚拓
 
 対応策としては、督促状の送付が約79万9000件、差し押さえも634件あった。厚労省は、悪質な滞納者に対する保育拒否制度を設けていた山形市に対し、「児童福祉法に違反している」として改善を求め、山形市は今年度から制度を撤廃していた。しかし、今回の調査で、滞納対策に苦慮している自治体からは、「滞納を理由とした退園を認めてほしい」などの要望が挙がった。



岩手日報より一部引用
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070823_4魚拓
 
 05年度から督促状を渡すなどの対策を講じ収納率は向上しているが,滞納者の中にはローンを優先し保育料は後回しにするなど,規範意識の欠如もみられるという.
 同市の宮川文義児童福祉課長は「全体の歳入が減れば適切な保育ができなくなる恐れもあり,きっちりと収めてほしい.所得の減少などやむを得ない事情がある場合には,減免や分割納付も利用できる」と呼びかける.



SankeiWebより一部引用
http://www.sankei.co.jp/kyouiku/kosodate/070822/ksd070822000.htm魚拓
 
 過去5年間で滞納が増えたと答えた自治体は1019自治体で、減少したのは545自治体。増加した理由は「保護者の責任感・規範意識の問題」が65.9%を占めた。「保護者の収入減少」(19.4%)の3倍以上で、保育料の支払い能力がありながら、払っていない保護者が、圧倒的に多い現状が浮き彫りになった。
 悪質な保護者に対する法的措置も、督促状送付79万9408件、財産調査4190件、差し押さえなど634件-にのぼっていた。
 調査結果をふまえ厚労省は、滞納の初期段階で納付を保護者に呼びかけることや、悪質な場合には税金の徴収と同様に法的措置をとることなど、積極的な対応をとるよう通知した。



今回のニュースに先駆けて報道していたのが八重山毎日新聞.

滞納額、県内ワースト4位 納付意識欠如の保護者
http://www.y-mainichi.co.jp/?action_article_show=true&article_id=9071
魚拓
 
(一部引用)
 保育所の保育料は利用者の所得に応じて定められているが、なぜ滞納が出るのか理由も多種多様で、「他の支払いが多くある」「離婚」「病気などによる収入 の不安定」「失業や不就労」などの経済的理由が多いが、中には携帯電話料などを優先し、保育料は後回しといったケースもあり「払わなくても何とかなる」といった義務意識の低い親もいるようで、担当職員は納付意識の低さを指摘する。
 児童家庭課では対策として、在園児については園を通して保護者の指導を行うほか、督促状や督促の電話作戦、戸別訪問、卒園児についても電話で督促連絡するなど課を挙げて徴収に取り組んでいるものの、滞納額の減少には至ってないようだ。
 給食費問題では「どうせ払わなくても、給食を止められることはない」という親の声も聞かれたが、給食費だけでなく学級費や教材費など学校や公共料金に関しては納付意識が低く、「払える人に負担がかかっていることや、税金が投入されているのは紛れもない事実で、行政はもっと対応を考えるべきではないか。非 常識な親たちのために自分たちの子どもが犠牲になっていることをもっと自覚してほしい」という関係者の声も聞かれる。



給食費の滞納,医療費の未払い,そして今回の保育料の滞納.

共通しているのはどれも公的な面のあるサービスで,
「払わなくてもとりあえず何とかなる」ということ.
多分これらの根っこはひとつ.

「携帯電話料などを優先し、保育料は後回しといったケース」
これは今までの給食費や医療費の未払いについても言われていたこと.
携帶電話は払わなければ使用できなくなるけど,
給食や保育や医療は払わなくても追い出されたりしない.
払わなくてもそれほど激しい取立てがあるわけでもなし.
今回の報道を見ても,せいぜい督促状がくるくらい.

「払わなくても何とかなって」いるのは誰かがその分を負担しているから.
それは払ってくれている「誰か」かもしれないし,
給食を食べたり保育されたりする「子供たち自身」かもしれない.

以前『痛いニュース』で見つけた仙台市の給食の写真.
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1007862.html
http://image.blog.livedoor.jp/dqnplus/imgs/0/e/0e8e7d41.jpg

なんだかものすごく寂しいメニューに見える.
仙台市は給食費の滞納が話題になった市.
滞納の影響でこんなメニューになっているのかは知る由も無いけれど.

でも滞納する人が増えれば増えるほど,
サービスの低下を招くことは予想できることで….
いつか「滞納」による収入減の影響でメニューが減る日がくるかもしれない.

今は大丈夫でも今後どんどん滞納する人が増えたら,
医療も保育も給食も,サービスの低下に留まらず,
それ自体がなくなってしまうという可能性もある.

なくなってしまたら,一番困るのは利用している人たちのはずなんだけれど….

結論:「いつまでもあると思うな親と金、無いと思うな運と天罰」.
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by sui-m | 2007-08-23 20:26 | ニュース