医療に関わることなどを
by sui-m
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なかのひと AX
あんな思いはもうしたくない
「ななのつぶやき」という大好きなブログがあります.

「激務」という言葉でさえ表現しきれないほどの忙しさの中にありながら,
優しい目線で紡がれるなな先生のブログを読むのが楽しくて
更新を心待ちにしています.

時として非常につらい話題になりながらも
なな先生の暖かいお人柄が偲ばれる文章に
「ほっこり」とした気分になって「明日も頑張ろう」と
いつも元気の素をいただいていました.

今回のエントリー『犠牲』はとてもつらい記事です.
なな先生の身近で起こった「突然の死」が語られています.

読んでいて涙が止まりませんでした.

私のつたない言葉で言い換えるよりも,
なな先生の全文を転載させていただきます.


『ななのつぶやき』より
犠牲
http://blog.m3.com/nana/20071120/1

身近な医者を、2人亡くしています。
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一人は約10年前。
当時30代の、先輩医師です。
研究に、臨床に、非常に忙しくなさっていました。
たまにご連絡を下さる時は、決まって深夜2時3時のメールでした。
学生時代は体育会でご活躍された先生で、
人間?と思いたくなるようなタフさと、ひょうひょうとした笑顔を併せ持った
爽やかな先生でした。
大学病院勤務時代の夏、当時研修医だった私たちを集めて
ナイター見物に連れて行って下さったことがありました。
外野席で、ビールを飲みながらハンバーガーとポテトをほお張って
みんなでひゃあひゃあ言っていたら、
先輩だけ眠ってしまったのを、今でも覚えています。

その日も、病院で夜遅くまでお仕事をなさっていました。
術後の患者さんが落ち着くのを見届けた後、
0時過ぎから論文の添削を始めたところまでは、他の医師が見ていました。
翌朝、出勤してきた同僚医師が、医局で倒れている先生を見つけた時には
既にお亡くなりになっていたそうです。

葬儀には、婚約者の女性は出て来ることができなかったと、
後で聞きました。

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今度は、友人医師を亡くしました。
彼女も、30代です。

同じ職場の上級医師が、過労でその病院に入院中でした。
元々、一人が過労になるような労働環境ですから、
多くをお話しする必要はないでしょう。
一人が入院・休職しても、現在の医療事情では代替要員は派遣されませんので、
残ったドクターたちは、目も当てられない忙しさでした。
緊急opeのある科の医師で、毎日遅くまでopeをした上に、
夜中も容赦なく呼び出されていました。
「過労だけは気をつけようね。壊れる前に、逃げようね」
と、お互い言い合っていたのに・・・

その日、彼女は当直でした。
翌朝、交代で当直に来た若い先生が当直室に入ると
彼女は机にうつ伏せになった状態で、亡くなっていたそうです。
大きな悲鳴を聞いて、一番に駆けつけた人が
何と過労で入院中の、彼女の上級医師でした。
その先生は、自分が休職したからだと自分を激しく責め、
入院先も変えた上に、退職されてしまいました。
残った同じ科の先生たちも、全員がご自分を責め続けています。

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二度と犠牲者を出したくありません。
どうしたらいいでしょう。



亡くなられた先生のご冥福を心よりお祈りいたします.

残されたご家族,ご友人の方々の悲しみはいかばかりでしょう.

既に沢山のトラックバックが寄せられていますが,
同じように先輩や同僚,後輩の医師を突然失った経験のある医師が
こんなにもいたのかと驚かされます.

私も後輩を一人亡くしています.
スポーツの得意な,30代になったばかりの後輩でした.

眠りにつく前までは全くといって普段と変わりはなかったのに
二度と目を覚ますことはありませんでした.
病院を変わったばかりで,かなりストレスフルな毎日であったと聞きましたが
これといった持病もない,健康な若者なはず,でした.

いったい何故…と誰もが思いましたが
結局,亡くなった原因はわからないままでした.

後日,命日にお墓参りに伺った折にお母様が
「この季節になると,今でもつらくてつらくて,どうしようもなくなるんです…」と
肩を落とされてつらそうにおっしゃっておられたのが忘れられません.

あんな思いはもうたくさんです.


今この瞬間にも,昨日の朝から,いやそのもっと前から
ほとんど眠らずに働いている医師がいます.
たった一人欠けるだけで,どうしようもなくなるような
ぎりぎりの現場がたくさんあります.

そしてこれらの環境が良くなる見込みは現時点では全くありません.

いったい,どうすればいいのでしょうか.
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by sui-m | 2007-11-21 12:02 | 医療
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