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医療に関わることなどを
by sui-m
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なかのひと AX
高知新聞の社説より
 良い社説を見つけました.
 高知新聞が医師不足に対する国の姿勢を批判しています.
 目新しいことは書いてありませんが,「医師は足りており,偏在しているだけ」という報道しか見られなかった頃のことを思うと隔世の感があります.

高知新聞 10月3日社説より
【外科医不足】現場の疲弊が浮かぶ
http://203.139.202.230/?&nwSrl=218493&nwIW=1&nwVt=knd

 国立病院機構病院(旧国立病院)で「外科医が不足している」「将来的に不足する」と答えた外科医が83%に上ることが共同通信のアンケートで明らかになった。
 産科、小児科、麻酔科などの医師不足と同様、外科の医師不足を指摘する声は前々からあった。今回の調査はそうした声をあらためて裏付けるとともに、疲弊する現場の実態を如実に浮かび上がらせる。
 不足の主な理由として挙げられたのは「労働条件の厳しさ」「医師臨床研修制度」「医療事故と訴訟リスクの高さ」である。これらは他の医師不足の理由とほぼ通じる。
 手術という医療の重要部を担う外科医は緊急の呼び出し、重症で緊急度の高い患者への対応など心身への負担が大きい。また、医療訴訟の矢面に立たされるケースも多々ある。日本外科学会の調査では外科医志望者は一九八九年に比べ、二〇〇三年は三割も減っている。
 さらに〇四年度から導入された医師臨床研修制度が研修医の都会流出、地方の医師不足を招いてしまった。さまざまな診療科で研修するうち、外科医の過酷な労働実態を目の当たりにし、他の診療科へ志望を変更する研修医も出ている。
 勤務医が開業することで、残された勤務医はさらに多忙になる。地域によっては患者が都市部の中核病院に集中し、そこの勤務医がさらなる過重労働を強いられている。
 こうした悪循環を断つには医療体制の根源的な改革が必要だ。小手先の対策で医師不足が解消するほど問題は軽くない。だが、肝心の国から医療を再構築する気概が伝わってこないのである。
 国が進める医師の集約化・重点化はさらなる「医療の空白」を招きかねない。緊急医師派遣制度にしても付け焼き刃だ。抜本策として来年四月から国立大医学部の入学定員増を認めたが、これも暫定措置との位置付けである。依然として国は医師の絶対数不足を認めようとしない。
 〇七年厚生労働白書では医師確保策や医療費抑制策に対して、一層の役割と責任を都道府県が担うよう求めており、国の使命感を感じ取ることができない。
 医学教育の見直し、職場環境改善など大学や医療現場で見直すべき点は多い。都道府県にも役割はある。だが、一番に求められるのは国の指導力である。国が医師の絶対数不足を認める姿勢に転換しない限り、効果ある政策は期待できない。


 2003年で3割減….今はそれから更にどれくらい減っているのでしょうね.
 
 まあ,国が医師の絶対数不足を認める日はきっとこないし,最早ちょっとやそっとのことではこの大きな流れは変わらないと思いますが.

by sui-m | 2007-10-05 13:36 | ニュース
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